병원에서 부지 내 금연에 대해
일본 금연학회지 제2권3호, 2007년 3월
- 저자의 개인적 의견
* 일본 의사법 23조 : 요양지도 의무 (흡연과 밀접한 관련이 있는 것으로 밝혀진 환자에게
금연을 지도할 법적 의무가 있다) –> 병원 내부와 부지 안에서 금연을 하지 않을 경우 이에
대한 위반으로 법원에 제소당할 우려가 있음.
* 2006년부터 ‘니코틴 의존증’ 의료보험 진료 인정
* 병원 직원이 흡연함으로써 환자들에게 가해자가 되어서는 안됨.
* 병원의 전면 금연이 사회 전체의 금연 추진을 위한 가장 유효한 방법.
* 2005년부터 일본에서 병원 내 전면 금연 실시 –> 향후 병원 부지 내에서 전면 금연 목표
* 정신과 병동이나 완화 케어 병동에서 금연 문제가 논란이 될 수 있음.(일본 병원 기능 평가 기구는 이러한 병동에서 흡연을 인정하고 있음)
* 또한 흡연실에도 갈 수 없는 말기 환자가 흡연을 하고 싶다면 어떻게 해야 할지 논란이 될
수 있음.
- 저자가 일하고 있는 병원(札幌社会保険総合病院 )에서의 실제
* 1994년 병원 내 담배 자판기 철거 및 매점에서 담배 판매 금지.
* 2000년 병원 내부 및 병원 부지 내에서 금연 실시.
* 입원 환자들에게도 병원 내 금연 안내.
* 입원 전 금연 약속해했지만, 흡연자 중 ‘숨어서 몰래 담배를 피는’ 사람, 외래환자나
병문안을 온 사람 중에서 현관 앞 등에서 담배를 피거나 담배꽁초를 버리는 사람에
대한 지도를 하는 것이 과제.
* 1일 3회 금연 순찰 실시.
* 최근 조사에서 대상자의 40%가 금연을 계속 하고 있는 것으로 밝혀짐.
* 2006년 3월부터 택시협회의 협조를 받아 병원에 대기 중인 택시도 금연 차만 허용.
病院における「敷地内禁煙」について 札幌社会保険総合病院 秦 温信
キーワード:敷地内禁煙、病院機能評価、札幌社会保険総合病院
출처 : 禁煙会誌 第2巻第3号 2007年3月1日
http://www.nosmoke55.jp/gakkaisi/200703/index.html#hata
病院は喫煙がもたらす健康被害を最も理解しているはずの医療従事者が働く場所であり、医療従事者として健康に及ぼす影響を受診者に理解させる意味でも「敷地内禁煙」の立場をとるべきであると考えられる。すなわち、「敷地内禁煙」は禁煙治療を進めるための、またそれ自体無言の禁煙治療の手段・方法と考えることができる。以下に「敷地内禁煙」の考え方および2000年にそれを実施した札幌社会保険病院(以下当院)の活動などを示す。
1.「敷地内禁煙」の考え方
医師には喫煙と密接な関係が明らかになっている疾患をもつ患者には禁煙を指導する法的義務があり、それを怠った場合には医師法23条の療養指導義務違反で法的責任を問われて提訴されることもありうると予想されている。また、2006年からは「ニコチン依存症」の保険診療が認められたのであるが、これは「ニコチン依存症」が病気としてみとめられたことになり、患者として放置できないことになる。
したがって、喫煙による被害について最も理解している病院職員が自ら加害者となるべきではないし、自ら地域住民に対する禁煙についての啓発活動を行うことが強く求められている。その意味からも病院の全面禁煙が社会全体の禁煙推進のための最も有効な方法との考えが一般的になってきた。
日本における病院格付けともされている日本病院機能評価機構の2005年からの認定要件(V 5.0)としても病院内全面禁煙が取り入れられている。したがって、これからの病院では分煙は考えられず、また館内だけの禁煙ではなく、敷地内全面禁煙を目指すべきである1)。ここで、精神科病棟や緩和ケア病棟などにおける禁煙をどうするかということが時に議論になる。日本病院機能評価機構の認定要件ではこれらの病棟に限っての分煙を認めることになっている。また、喫煙室にも行けないようなターミナルの患者が最後に病室で喫煙したいと言ったらどうするかということが議論されることもある。恐らくはそのような状況では吸う力も無いのが一般的であまり起こりえないと思われるが、数本吸うのを止めさせる必要もないのではと答えることにしてきた。重要なことは病院職員を含めての禁煙に対する取り組みが問題なのである。
2.「敷地内禁煙」の活動の実際
当院では2000年元旦を期して院内・敷地内を含む構内の全面禁煙を実施したが、1994年7月たばこ自動販売機の撤去と売店でのたばこ販売を廃止してから分煙などに努め5年半の歳月を要している2)。以下、「禁煙推進委員会」のとして継続している活動について述べる。
「敷地内禁煙」の実施後まず「入院案内」に全面禁煙となったことを記載した。入院前には禁煙を約束して入院するのであるが、喫煙していた者の中で「隠れて喫煙」する者、外来患者や見舞客の中で玄関前などにおいての「喫煙・吸い殻すて」をする者などに対する指導が課題であった。それに対しては「禁煙パトロール」として日に3回巡回し、吸い殻の収拾や禁煙指導を行っている。吸い殻数が3,4月に多いのは雪に埋まっていた吸い殻が出てくるためであり、依然として著しい減少がみられないのは地下鉄の階段出口の敷地内付近で夜間に捨てられたものが多いためである(図1)。毎年世界禁煙デーを中心とした週間を「禁煙週間」とし、「世界の禁煙ポスター展」などを行っている。また、禁煙に対する苦情や禁煙についての相談に対する対応はきわめて重要である。看護科長が毎日交代で行っている「診療相談・看護相談」での「禁煙相談」にも多くの相談があり、一定の効果を上げている。当院における「禁煙外来」受診数は2006年以降急激に増加している。さらに、入院患者の喫煙者に対しては入院予約のオリエンテーション時から禁煙についての相談・支援を行い、退院後も外来で支援を行う体制をとっている。その結果、最近の調査ではそれら対象者の約40%が禁煙を継続していることが明らかになった3)ことから、このような支援をさらに継続する必要があると考えている。また、2006年3月より市内タクシー協会の協力も得て、当院での乗客待ちタクシーは禁煙車のみとしている(図2)。病院において敷地内禁煙を進めるためには、地域の住民や職員を含めた医療従事者に対する啓発活動はさらに重要と考えられ、啓発活動と成果確認の意味で2年毎の患者および職員のアンケートを行うなどしている。
参考文献
1) 秦 温信、大西勝憲、三橋公美、ほか:敷地内禁煙.治療 2006; 88; 2499-2504.
2) 秦 温信、安田秀美、檜山繁美、ほか:院内・敷地内全面禁煙の取り組みと問題点.日本病院会雑誌 2003; 50; 298-302.
3) 亀田すみ子、秦 温信、佐々木まり子、ほか:入院患者に対する「禁煙指導・支援」の有効性.日本禁煙学会雑誌2006; 1; 5-6.
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